昔あったてんがのー、で始まる新潟の民話集です。水沢謙一先生が新潟各地を取材して、「語りばさ」と言われる老女の話をまとめたものです。
昔から伝わる民話は、子どもにはとても面白く、「先生、このお話は、白雪姫やシンデレラのお話にもにてますよ、」とお手紙調で書いた読書感想文はコンクールで1番となった。(50年も前の話です。)
当時小学校低学年だった私は、学校の授業時間中に校長室に呼ばれ、来校された水沢謙一(故人)先生と対面してお話を伺った。この時のことは、まったく覚えていない。
おぼえているのは、校長室のソファが黒くて大きくて、
その前にテーブルがあって、
お菓子がのった皿があったこと。
あ、、、食べたい。食べていいのか?
私は給食が嫌いだった。
お菓子の方が好きだ。食べたい、、食べていいのか、、、
先生に怒られるだろうか?
先生は隣に座っている。
そんなことしか、覚えていない。プレゼントをもらった。
サインが入って、私だけのもの。50年以上ずっと持ち歩いている。
この夜語りを、むかしあったってんがなあ、、と語ってくれる婆さんに、隣にいて夜通し話を聞いていたいと思う時がある。私ももう婆さんなのだが。(笑)
さて、その人生で初めてで、そして最後のコンクール1位をとった(大げさな、でもこれしかないんだ、、、他に誇れること)
「見るなの花ざしき」
ネットで、すぐ買える。ただ、、、、表紙がグロい。家に置きたくない絵の表紙だ。
50年近くノスタルジーで、、、ああ、もう一度読みたいと思っていた憧れが消えてしまった。
こどもの頃は、そんなこと感じてなかったのかもしれない。
読みたくても読めない。そんな本です。
人は
見るなと言われると、見たくなり
食べるなと言われると、食べたくなる
そんな生き物です。