梅仕事 オレンジ梅への憧れ
50歳を過ぎると、過去の様々な風景を時々思い出し、自分の人生の中で、あるきっかけを作ってくれたのだと思うことがあります。
梅の季節になると思い出すのが、オレンジ色の梅ジャムです。私は商店街の中で育ち、ジャムは買うものだと思っていましたが、その日をきっかけに考えが変わりました。
ジャムは、手作りに限る。
和歌山に実家があるというマダムが、梅ジャムの作り方を教えてくれました。それは35年も前の話なので、今のように通販サイトもありませんから、そのジャムを作るには、梅を作る農家さんにダイレクトな縁故がないとだめ、ということでした。
完熟の薫り高い、今にも崩れそうなオレンジ色の梅は、スーパーなどでは手に入りません。その崩れ落ちそうな、芳醇な香り高い梅でないと、そのジャムはできないのです。
お湯を沸かし、梅をゆで、熱いうちに手でつぶし、と、出来上がった梅のジャムに感動しました。その香しい香りが脳裏に焼き付いています。
はてよ、私の実家がある町も、梅の産地なんだが?なんで、今まで出会わなかったのだろう。
実が大きくて、果実の部分が多い南高梅でないとできないそうです。
30年近く、このジャムがもう一度作れないものか、、といつも思ってました。
去年、作ることができました。
おうち時間が長くなりネットで調べたら、今は南高梅取り寄せることができるのです。
ああ、30年もたつと、世の中変わるんだー、と思った次第です。